『本なら売るほど』|2025年の新刊でダントツの面白さ
古書店十月堂を舞台にし、本を通じてさまざまな人間模様が描かれるオムニバス形式の物語。
まだ1月に発売されたばかりではあるが、私の中の今年1番の新刊が決定してしまった。
毎年多くの作品が生まれていく中、1巻のつかみは良かったのにな……と思わざるを得ない漫画もある。しかし、この作品はオムニバス形式で描かれ、1話1話のクオリティが非常に高い。
このまま続いてくれそうな予感がしてならないのである。
『本なら売るほど』の魅力|本好きを引き込む空気感
本作を読んで、最初に感じる印象は、「本って最高だな。」である。
蔵書のラインナップから見える人物像や、本の一文を模した趣味、本そのものに感じる愛情。
本はあくまで読むものでありながらも、本を介して人を描いているのが本作の魅力だと感じた。
本好きなら作者名やタイトルを見ただけで、持ち主の趣味嗜好を想像するのではないだろうか。
この漫画は、そんなニッチなテーマを心地よく描き、読者にぶつけてくるのだ。
読切であったはずなのに連載となり、めでたくも第1巻が発売されるに至ったのは必然かと思う。
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